安全・法律 ・ 約6分

「銀行口座付き会社」の売買はなぜ犯罪なのか——犯収法とマネロン

「口座付き法人、売ります・買います」という広告を見かけます。しかしこれは犯罪収益移転防止法に触れる危険な取引です。なぜ口座付き会社の売買が特殊詐欺・マネーロンダリングの温床とされ、売り手・買い手ともに摘発対象になるのか。まっとうな会社売却と何が違うのかを、はっきり解説します。

まず結論

「銀行口座付き会社」の売買は犯罪?

はい。銀行口座付き会社の売買は、犯罪収益移転防止法に触れる危険な取引です。預貯金口座の譲渡・提供はそれ自体が犯罪で、会社ごと売買する形をとっても、口座の利用が目的なら潜脱として摘発対象になります。口座は特殊詐欺やマネーロンダリングに悪用されるため、売り手・買い手のいずれも処罰の対象になり得ます。まっとうな会社売却とは全く別物です。当窓口はこうした取引を一切扱いません。

「口座付き会社、売ります」という広告の正体

インターネット上には「銀行口座付きの休眠会社、売ります・買います」といった広告が存在します。一見すると普通の会社売買のように見えますが、その実態は「使える銀行口座」を受け渡すことに主眼があります。これは、まっとうな事業承継とはまったく異なる、危険な取引です。

なぜ犯罪なのか——犯罪収益移転防止法

預貯金通帳やキャッシュカード、口座そのものを譲り渡す・譲り受ける・提供することは、犯罪収益移転防止法(第28条)で禁止されており、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象です。業として(反復継続して)行った場合は、3年以下の懲役または500万円以下の罰金と重くなります。

「会社ごと譲渡するから合法」という理屈は通用しません。会社の株式譲渡の形をとっても、その実態が口座の受け渡しを目的とするものであれば、潜脱行為として同様に問題となります。

買い手はなぜ「口座」を欲しがるのか

まっとうな事業目的で法人口座が必要なら、自分で会社を作って銀行の審査を受ければよいはずです。それをせず「口座付きの会社」を買おうとするのは、多くの場合、自分の名義では銀行審査を通せない資金移動——特殊詐欺の受け皿、闇金、無登録の送金、マネーロンダリングなど——を目的としています。つまり、この市場の買い手需要は、本質的に犯罪の需要と地続きです。

売り手も「幇助」で罪に問われる

「使っていない休眠会社を売るだけ」と軽く考えるのは危険です。売却した会社の口座が犯罪に使われれば、売り手も詐欺の幇助や犯罪収益移転防止法違反に問われ得ます。安易な譲渡が、自分を加害者側に立たせてしまうのです。「知らなかった」では済まされないケースもあります。

まっとうな会社売却とは、まったく別物

正規の会社売却(事業承継M&A)は、現に事業を営む会社を、その許認可・取引先・従業員ごと次の経営者へ引き継ぐものです。口座はあくまで事業に付随するものであり、口座それ自体を目的にはしません。

当窓口は、建設・運送・産廃・派遣などの現業の事業承継だけを扱い、銀行口座付き会社・宗教法人・節税目的の会社売買など、不適切な取引は一切扱いません。少しでも不安のある取引を持ちかけられたら、応じる前に専門家や警察・消費生活センター等にご相談ください。


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